CFネッツ代表[公式]「不動産投資成功の方程式」倉橋隆行のプロに学ぶアッと驚く不動産投資

実務経験豊富なプロの不動産コンサルタント、ノウハウと哲学、日常業務を公開!不動産だけじゃなく、人生の成功への哲学、科学なども公開。併せてCFネッツグループの朝礼なども公開しています!

相続対策

2009年12月08日

資産家のあなたは、狙われている(最終回)

いよいよ、最終回!

 

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結果として、皆さんはどう思うのだろうか。

なぁんだ、という結果かもしれないが、実は、この手の詐欺事件で、和解金が取れたことは、正直、稀なくらいである。

つまり、詐欺に掛かれば、勝つ、あるいは勝った所で、結局、取り返しがつかないことが、殆どなのである。

本日は、会社は休日なのだが、いろいろ雑務がある。

夕方、ちょっとは、自転車でも乗ろうかとも考えている。

・・・・・。

メタボ対策!

では。

 

相続に付け込む、取り込み詐欺!(最終回)

裁判は、倉橋の思ったとおり、結局、和解金1500万円で決着が付いた。もちろん、本件土地の買主、抵当権を付けていた金融筋の損害賠償は、一切しないという条件付だ。

 ただ、不動産の場合、これで終わりではない。詐欺であっても、売買契約書は存在し、所有権は移転されている。税務署との協議が必要である。

 結局、それも、倉橋主導のもと、顧問税理士と打合せを重ね、事実関係を正確に報告し、実態的な資金の流れの納税で済ませることができた。

 詐欺の入口は、ほんのちょっとした油断である。

その根底にあるのは、常識を逸脱した利益。

詐欺師はいろいろな手口を使って、ありそうな「うまい話」を作り出すプロである。特に不動産取引などは、一般人には経験がないことが多いから、騙されやすい。今回のような山田のような家庭においては、先祖代々の不動産を守ろうとする意識が、逆目になってしまうものなのである。

 ちょっとした、プロの存在。いつも相談できる不動産コンサルタント。

残念ながら、山田の傍にはいなかった。

 最初の詐欺の場合、道路の拡張に伴う収容による土地売買だから不動産のプロが介在すれば、まったく難しい話ではなかったし、権藤による詐欺の場合、そもそも所有権の移転を最初に行うような話であれば、契約などしないし、最初から断っている。

 人の弱みにつけ込む詐欺事件は、後をたたない。

 周囲から見れば、何で、こんなことに騙されるのだろうと、後から考えれば不思議な話が多いのは、先にも述べたとおり、人間の心理状態を巧みに操るマジックが掛かっているからである。

 詐欺事件に巻き込まれるのは瞬間であり、それを取り戻すには、甚大な時間と労力、そして費用がかかる。

 本件のような詐欺的な話は、引っかかる前に不動産のプロに電話1本すれば、事態はまったく変わるものなのである。

 

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2009年11月27日

資産家のあなたは、狙われている(24)

いよいよ佳境。

 

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あと2回で終了する。

我々、いろいろな事件に遭遇し、その都度、適切に対処するわけだが、詐欺事件だけは、結果的に騙された人が確実に損をする。

日本の法理では、民事詐欺事件は、結局、騙されたときの判断は、自分も良いと思ってやったのでしょ、ということになってしまう。

これからも、詐欺事件は頻繁に起こる。

またもや、詐欺に近い事件が近隣で起こっており、大小問わず、騙されてから当社に相談に来るわけだが、だったら何で、もっと前に相談に来ればいいのに、と思ってしまうのだが、詐欺の手口は巧妙であり、気がついたときに詐欺事件に巻き込まれてしまうものなのである。

騙されてから取り戻すのは、非常に難しいし、コストも掛かってしまう。

騙される前に、不動産コンサルタントの活用をお勧めする。

本日、またもや出版の打合せ、明日は福岡で講演。

明後日は、大阪で個別相談5件、である。

では・・・・・。

 

相続に付け込む、取り込み詐欺!(24)

 「それって信じられないな」倉橋は、篠原弁護士から伝えられた相手方からの第1回目の和解金額を聞いて愕然とした。「300万円ですか」

 「ええ、かなり強気の提示です」篠原弁護士も、期待はずれの結果に落胆していた。「こちらの2億5000万円の提示に対してです」

 「ま、相手方からすれば、当事者ではないから、そんな金額なんだろうね」倉橋は、相手方の理論も分からなくはなかった。「相手方からすれば中岡不動産から、この物件の売買を依頼されて信託業務を行っているという立場だからね」

 「それよりも、同席した例の、この物件に高額な抵当権をつけて融資をしているノンバンクの社長というのが出てきて、この裁判を続けるなら、山田側の相続人全員に対して損害賠償請求訴訟を起こすと息巻いていました」淡々と篠原弁護士は倉橋に言った。「彼ら、本気のようでした」

 「で、買主のファンドは来てなかった?」

 「多分、そのような人物と思える人も同席していましたが、黙って成り行きを見守るつもりのようです」

 今回のケースでは、第三者に所有権が移転された段階で、そもそも負け戦なのである。

 土地を取り戻そうにも、騙し取られた金銭を取り戻そうにも、当事者である権藤は、破産したあと、亡くなってしまったのである。

 「これは、長引かせると山田家にとって致命傷になりかねないな」この手の金融筋の連中は、自らの利益の為なら、手段を選ばないことを倉橋は知っていた。「ただ、相手方も、額は少ないにしても、和解案を持ってきている所をみると、早期な解決を望んでいる訳だから、妙な手口を打たれる前に和解で決着をつけるほうがいいだろうね」

 

 その後、山田を含めてミーティングを繰り返し、和解金の提示案をいくつか策定した。

 裁判所で和解の回を重ねる内、相手方もかなり焦りが見えてきた。この裁判が長引くようなら、この物件の購入は見合わせるとのファンドの意向が出だしてきた為だ。

 「相手方の提示金額は1000万円、これ以上、負担するつもりはないとの判断です」

4回目の和解期日で譲歩してきた金額を篠原弁護士は、倉橋と山田の前で言った。「弁護士の立場として、これ以上、引き伸ばすことは危険だと判断します」

 「そうだね。ファンドが降りれば、相手方は、かなりの損害が生じるだろうからね」倉橋も、かなり苦慮した。「どうやら4億円以上で、この土地売っているみたいだから、この裁判が長引いて土地の取引が取り消されたとすれば、契約不履行で、少なくとも、2割の8000万円以上の損害。併せて例の金融筋にも相当搾り取られるだろうから、多分、1億円では済まない」

 「私としては、もう、充分だと思っています」山田が、倉橋と篠原弁護士のやり取りを見ながら言った。「多少、残った不動産もありますから、やり直しはきくと思っています」

 「そうですね、私も山田さんに同意見です」篠原弁護士は考えながら言った。「残りの財産を危険にさらすことは、弁護士としてお勧めできません」

 「そうなんだけど、山田さんが受け取った手付金は4000万円。それも測量費や開発申請費用などを負担しているから、実質、手にしたお金は3000万円位でしょう」倉橋は、今回の詐欺事件による理不尽さを感じていた。「中間で、誰がどのように利益を上げたのかは分からないけど、実質的に、3億6000万円以上の利益を上げている。明らかに詐取されたお金であるのに法律的には救われることがない。納得のいかない話だよね」

 その後、3人は、しばらく想定する相手方の出方を考え、最終的に倉橋が篠原弁護士に言った。

「とりあえず、倍額の2000万円。相手方の出方を見ながら調整して、1500万円なら和解しましょう」

 裁判は、和解となれば、最終的には駆け引きである。

山田側は、最初、2億5000万円の和解金から始め、徐々に金額を下げ、相手方は300万円から始まって1000万円まで引きあがった。ただ、この土地に、買い手がついていなければ、ここまで和解金も吊上がっていなかっただろう。

詐欺事件の場合、巻き込まれれば損害金の回収は難しい。逆に詐欺師は、その困難さを熟知した上で詐欺に取り掛かるから、狙われたら最後である。今回、山田は、全部を失う前に気がついたから良かったが、普通、ズルズルと最後まで奪い取られてしまうのが普通だ。

今回の場合、山田の父は、相続税の支払いに困り、助けてもらったつもりが騙され、更に、その損害を取り戻そうとした結果、権藤に騙された。多分、その後、権藤からはいろいろと理由をつけて、追加の不動産の差し入れを求められるか、または別の人物が現れ、残りの不動産を高額で売る話を持ち込まれるか。いずれにしても、結果は同じだ。

詐欺師たちに狙われれば、全部を失うまで、詐欺られてしまうのだ。

 

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2009年11月23日

資産家のあなたは、狙われている(23)

秋本馨いよいよ、つめの取り込み詐欺。

 

 

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昨日、画家の秋本馨氏と久しぶりに会い、昔話に花を咲かせた。

やはり、画家の世界も厳しいようで、アトリエを郊外に移すことを検討しているということで相談にのったりしているのであるが、ぜひ、三浦半島に来ていただきたいということで、結局、三崎、城ヶ島界隈を案内して、その後、食事をしてわかれた。

この秋本馨氏は、私より2歳下なのだが、昔は「テンペラ」という技法の絵画を中心に活動していたのだが、この技法、絵の具の変わりに石を粉砕して卵の黄身でといて書く、というもので、結構、手間の掛かる技法の為、日本では、あまり採用している人が少ない。

当社の本部に掲げてあるのが、彼のデビュー作「ニルスノヤコウセン NIRUSUNOYAKOUSEN」。

岩石を書き始めたら飛行船になってしまった、という作品らしい。

テンペラの複合らしいのだが、不思議な味わいのある作品である。

 

今日は、横浜本部で会議の連続。

いま、ちょっと時間が空いたところである。

では。

 

 

相続に付け込む、取り込み詐欺!(23)

 

 山田も、本来なら同様で、現状の日本の法律では、なんら保護されることがない。

 「このお金、どこに流れたんだろうね」倉橋は、秘書の小林、山田、そして篠原弁護士との打ち合わせの席で溜息混じりに言った。「この詐取した金額の総計って、10億円できかないよね」

 「私も、何処かに隠しているとは思うんですよ」篠原弁護士も溜息まじりに、倉橋の意見を肯定した。「とても病人に使えるお金じゃないですよね」

 「お父さん、権藤の前に、お金、騙し取られていた訳じゃない。ひょっとして、その組織に召し上げられたんじゃないかな」倉橋は、反社会的組織の中に、かような不動産詐欺のプロフェッショナル組織があるのではないかと懸念していた。「所有権と抵当権、占有権などのそれぞれ特徴を利用した、素人には分かり辛い法律を巧みに使っている所をみると、それなりの専門家がバックについて動かしてるんじゃないの」

 「本当に、馬鹿なことをしました」山田は、自分がしたことではないのに父が行ったことで責任を感じていた。「私がもっと、父とのコミュニケーションをとっていれば、こんなことにはならなかったと反省しています」

 「そうなんですよ。世の中、山田さんのような人は本当に多い」倉橋は、山田を慰めるように言った。「資産家や地主はさ、相続のことは常に考えておかなきゃいけない。親子でいつも話し合ったり、知恵を出し合ったりしていれば、山田さんのお父さんも、1人で苦労しなくて済んだのかも知れないね」

 「多分、父も、かなり最初の事件でストレスを感じていたのかもしれません」山田は、下を向き、後悔しながら言った。「結局、父は、家族に苦労をかけまいとして、私にも母にも相談せず、1人で悩んでいたのだと思います」

 「今度は、山田さんの番だからね。その際には、後継者と相談しながら、資産継承を図って行かなきゃね」倉橋は、冗談ともつかないことを山田に言った。

 「もちろん、そのときは先生にいろいろ相談に乗って貰います」山田は明るい表情で言った。「ただ、先生のほうが私より、随分、年が上だから、先生には長生きしてもらわないと」山田は、そんな冗談を言い、談笑しながら今後の計画をみんなで話し合った。

 「とりあえず、2億5000万円の和解で持ち込みましょう」倉橋は、篠田弁護士に言った。

 

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2009年11月19日

資産家のあなたは、狙われている(22)

不動産投資 成功の方程式 表紙「不動産投資 成功の方程式」重版校正終了!

 

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昨日、重版の校正が終わり、間もなく重版される。

かなり、いい感じに販売が進んでいるらしく、私自身の出版記念講演の販売部数も足りない状況に陥っている。

まったく、ありがたいことである。

※アマゾンドットコムはこちら

昨日、FMヨコハマの収録に行ったが、リスナーの反響もまずまずのようである。

※毎週水曜日、朝8時15分頃。「ここが知りたい不動産」という番組を持っているので、ぜひ、お聞きください。

本日は、2週間ぶりに休日をとり、先週買った物件の確認と、新たに購入する物件の打合せに行ってくる。

また、来月早々、久しぶりにゴルフに行くことになっているので、少しは練習でもしようかと、出っ張ってきたおなかをさすりながら、考慮中。

では。

 

相続に付け込む、取り込み詐欺!(22)

「倉橋先生、きましたよ、連絡が」篠原弁護士から電話が入った。

「どう、買主は」倉橋も、結構、楽しみにしていた朗報であったため、会議の最中であったが、電話口に出て対応した。

それは、当時、結構、名が通った外資系のファンドであった。

 

「取り急ぎ、和解に向けた話合いを行いますか」篠原は、倉橋に言った。「もちろん、当事者ではないので、拒否することは可能ですが」

「いや、それは得策じゃないよ」倉橋は、電話口でいろいろと考えながら、慎重に話した。「この土地に巨額な抵当権が付けられている所を見ると、今となっては、長期で争って売却のチャンスを逃せば、とてもこんな金額で売れる土地じゃない。取りあえず、話だけは先生のほうで聞いておいてもらって、取引がポシャらないように、売買の話を繋ぐ努力だけはしておいてください」

 倉橋は、当時、ファンドの不動産取引の異常性を感じ取っていた。本来、ファンドというのは、他人の資金を使って投資をするわけだから、高い収益性を求めて仕入れ金額を最大限圧縮しなければならない筈であるが、当時は、ファンドバブルとでも言おうか、ファンドの連中は、資産拡大を求めて買い続けなければ彼らの収益に繋がらず、かなり高値でも買い続けていたのが実態である。

 IRR(インターナル・レート・オブリターン 内部収益率)、つまり不動産の将来価値を盛り込んだ投資計画に無理があり、欧米で開発された金融工学がもたらした投資概念が、古い借地借家法が温存された日本の市場には向かないものであることを外資系ファンドの連中が思いもよらなかったことで、高い購入相場を繰り広げていた。

海外の建物賃貸借契約は、定期建物賃貸借契約が普通であり、賃料の値上げを借主と協議して定めることはない。契約の満了時期に貸主が一方的に次の賃貸条件を通知すれば足り、その条件に借主が不服であれば、再契約をしないで出てゆくしかない。つまり海外の不動産投資においては、常に相場に基づいて賃料等を値上げできるわけだから、必然、物価上昇率に応じた賃料相場を維持でき、不動産価格もそれに準じて上昇させることができる。これらを前提で当時の外資系ファンドは、将来価値を割り出した投資指標で日本の不動産の購入を繰り返していた。日本の普通建物賃貸借契約における「法定更新」などという概念はほとんど知らずに、である。

 

 「とりあえず、この土地は、彼らに買ってもらいましょう」倉橋は篠原弁護士に伝えて、電話を切った。

 その後、信託会社から保全抗告がなされ、抵当権者、土地購入者から損害賠償請求が山田側に対して提訴された。とりあえず損害賠償請求事件については、保全抗告の決着を見てからということで期間は延期されたが、かなり厳しい状況に陥った。

 権藤の会社に騙された人たちは、破産管財人が開示した債権者リストを基に個別調査して分かった。彼らから事情を聞いて見る限り、案の定、権藤は詐欺師であった。

 不動産を騙し取る手口は巧妙であり、母親が教職についていたことで相手を信用させ、次々と不動産を騙し取っていた。

 例えば、近隣の再開発をするという名目で高い価格を相手方に提示し、手付金相当額を支払って所有権を移転させ、代替物件の提供で占有移転を行う。その代替物件には、高額な抵当権が付されており、騙し取った土地は転売して利益を得ながら、代替物件の抵当権は抹消されない。結局、気がついたときには、その代替物件は競売に掛けられて、騙された人は、やむなくその不動産から退去せざるを得なく、結局、住まいと全財産を失っている。かような手口で騙された人は多い訳だが、誰もが権藤の破産、および死亡によって請求権すらなくなってしまっているのである。

 

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2009年11月18日

資産家のあなたは、狙われている(21)

昨日、北九州から戻り、本日は、FMヨコハマの収録。

 

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本当に、飛行機は便利だ。

福岡、東京間が、1時間半程度。

昔は、飛行機に乗って出張!などと、喜んでいたが、これだけ頻繁に乗ると、新幹線と変わらない。

飛行機は、特別のものと昔は思っていたし、ちょっと飛行機で旅行に行こうものなら、餞別をくれたりしたものだが、最近は、土産すら買わなくなった。

時代は、変われば変わるものである。

では、今日も一日、元気で、行って来ます!

 

相続に付け込む、取り込み詐欺!(21)

そもそも、今回の事件は、土地自体、既に第三者に所有権の移転がなされ、おまけに更なる第三者に信託登記までされてしまっている手遅れ的な法的手続きであるのに、裁判官も異例な取り扱いをしてくれたものである。その上、信託受益権の仮差押えなど、篠原弁護士も倉橋自身も、かなり難しいものと考えていた。

「倉橋先生、ビックニュースです」いつもメールのやり取りをしていた篠原弁護士から倉橋の執務している港南台の事務所に電話が入った。「驚かないでくださいね。信託受益権の仮差押えが通りました」

「それって、篠原先生、よほど自信がなかったんだね」倉橋は笑いながら篠原弁護士に言った。「しかし、よく裁判所が認めたよね」

「先日、先生からお話があった、例の山田さんのところへの嫌がらせの電話の件を話したのが良かったのかもしれません」自分で手続きをしながら、自分自身も、意外に簡単に裁判所が認めてくれたことを、いまだ信じられない様子で篠原弁護士は言った。「それに、先日、山田さんに書いてもらった陳述書も、心証は良かったと思いますけど」

今回の事件は、あまりにも現実にかけ離れた詐欺事件であった為、裁判所も、慎重に審理を繰り返し、仮処分手続きにも消極的であったが、その分、事実関係を立証する為、陳述書や証拠書類もかなりの数を提出していた。事件が分かり辛く、損害額が巨額な為、裁判所もようやく篠原がその都度書類等を提出しながら説明を繰り返してきたことで、今回の事件の全容が分かってくれたのではないかと考えられた。

「それは、篠原先生の粘り勝ちだな」倉橋は、率直に篠原弁護士に言った。「普通、無理でしょ。ま、先生、山田さんにも先生から説明してあげてください。喜びますよ」

 

街は、桜が芽生えだした時期だった。冬は、いつまでも続かない。

 

トラブルに巻き込まれている最中とは、盲目的に、そして憶測の範囲で、暗闇の中を彷徨ってしまうものであるが、気がつくと、何かのきっかけで解決策が見出され、必ず終局するものである。弁護士や、倉橋のような不動産コンサルタントは、いつも問題の解決にあたっており、経験的に鳥瞰的に解決に向けての明かりが見える瞬間がある。

このとき、山田自身が気付いたかどうかは分からないが、倉橋と篠原弁護士には近い将来、急速的にこの事件が解決できる見通しがつくことを肌で感じていた。

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2009年11月09日

資産家のあなたは、狙われている(20)

遅ればせながら、20話。

 

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本レポートは、既に小冊子化が出来ています!

ご希望の方はこちらから

 

相続に付け込む、取り込み詐欺!(20)

「倉橋先生、訳のわからない人たちから嫌がらせのような電話が来ていますが大丈夫でしょうか」信託物件の所有権移転禁止の仮処分が裁判所に受理されてから間もなく、山田の自宅には脅迫めいた電話が数多く鳴った。「今回の取引に絡むものだというだけで、身分を明らかにしないんですが、この仮処分を取り下げないと、大変なことになるみたいなことを言って来ています」

「ま、脅しでしょ」倉橋は、落ち着いて説明した。「権藤も、中岡不動産も、札付きのような人たちですから、彼らの利害関係人が慌てて連絡してきているだけです」倉橋は、各方面から情報を仕入れており、権藤は、反社会勢力の組織に所属した経験があり、この詐欺事件を巻き起こした時点では、組織から離脱していた事実が判明していた。 「彼らは、脅しはするかもしれませんが、実際に、実力行使をすればどうなるかを自分たちが良く知っていますから、山田さんは、裁判所にお願いしていますので、どうぞ、裁判所に言ってください、というようなことを伝えてくれれば、それで構いません」

山田所有の不動産には信託登記がなされており、間もなく外資系ファンドに売却される直前であった。

かなり手口は巧妙であり、権藤も中岡不動産も、山田が気付いたときには、すべてのことは済まされている状態にしてある。例えば、権藤に対する損害賠償の請求がなされ、それが認められたにしても、支払能力のない権藤に対する債権であるから無意味だし、また、土地の返還請求が成功したところで、土地の価値以上に設定されている抵当権があるわけで、その抵当権を外すことができなければ、いくら所有権が帰ってきても競売等で処分されてしまうから意味がない。

 

「篠原先生、信託受益権への差押えはできませんか」苦肉の策で倉橋は、篠原弁護士に電話をかけて話した。「山田さん、このままだと精神的に潰れちゃうかもしれない。普通の人は、ああいった連中から連絡が来るだけでも疲れちゃうもんね」

「そうですね。私自身も、そういう提案をしようと思っていた所でした」篠原弁護士も、倉橋と同様の考えがあり、本件の長期戦は望んでいなかった。「やっぱり、倉橋先生の言ったとおりの連中のようですね。ただ救いは、信託登記になっていますから、出口的にはファンドに売却する方向だと思います。信託受益件を押えて、買主側から、慌ててアクションがあると助かりますけどね」

信託登記がなされている以上、その信託に瑕疵があればファンドの組成などできない。所有権移転禁止の仮処分だけでも有効だが、売買代金などの受け渡し等の信託受益権を差し押さえてしまえば、資金も動かすことができず、本件土地の買主が炙り出されてくるのではないかと倉橋も篠原も考えていた。

「ここまでくれば山田さんには、リスクも何もないよね。取りあえず、怯まないでやれることをやろうよ」倉橋はちょっと気弱な篠原に、明るく励ますような口調で言った。

 

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2009年11月03日

資産家のあなたは、狙われている(19)

現在、名古屋講演に向けて移動中!

 

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そういえば、5日にテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」という番組に登場する。

最近、テレビ見ましたよ!という声を聞くが、ここの所、数回、あちこちのテレビに登場している。

なかなか自分でみることは無くなってしまったが、せっかく出るならブログで告知してください!との声があったので、告知する。

この番組には、3回目の登場になるが、午後11時からの放映ですので、お時間がある方は、ぜひ、ご覧ください。

当社、PM事業部の呉山君たちも登場します!

では、行って来ます!

 

相続に付け込む、取り込み詐欺!(19)

「先生、大変なことになりました」こちらから篠原弁護士に電話を入れようと思っていた所、篠原弁護士から倉橋に事務所に電話がかかった。「権藤が、亡くなりました」

 「しかし、面倒なことになったな」しばらく沈黙してから倉橋が言った。「ま、中岡不動産が存在するから、進行には影響ないか」

 「そうですね」篠原弁護士も、倉橋の話に同調するように言った。「すでに破産してしまっていますから、こちらは粛々と事務手続きを進めるしかないですね」

 倉橋は、篠原弁護士に、打合せ後の山田の意向を伝え、取りあえず急いで手続きをしてもらうように話をした。

 

 裁判の場合、原告、被告、今回、仮処分の申し立てであるから、この場合、申立人、相手方と呼ぶが、いずれも当事者として争う。今回の場合、申立人の山田側も、相手方の1人、権藤が亡くなったとなれば事務手続きの変更に時間が掛かってしまうし、裁判所とも打合せを繰り返さなければならない。その為、篠田弁護士は、その打合せの詳細について、逐一、電子メールで全員に同報して報告してくれていた。

 ただ、裁判所の窓口の扱いにも不満は募るし、転売されてしまっては、保全手続きの意味すらなくなり、裁判は長期化し、新たなリスクも発生してしまう。

 「信託中の不動産の差押えについては、可能であることの確認はできましたが、実はこの土地に5億円を超える抵当権が新たに設定されてしまっています」篠原弁護士は、電子メールで山田と倉橋、そして秘書の小林に報告してきた。「詳細について、当事者である山田様のご家族に詳細を説明したいと考えますが、如何でしょうか」

「私としては、前回、倉橋様より充分な説明を受けていますし、我々は、法律的には素人です」山田は、同報の電子メールで篠原弁護士に回答した。「倉橋様、小林様に、全権限を委任してお願いしていますので、どうか存分に手続きを進めてください」

 「しかし、我々、弁護士としてもリスク説明をしないまま手続きを行うことは、若干、不安を覚えます」不動産評価を超える抵当権が設定された不動産に、仮差押え手続きを行って、依頼者に負担を強いる結果となる可能性があることに抵抗を感じたのか、篠原弁護士のかなり慎重な態度が窺えた。「山田様のご家族様と、倉橋先生と同伴して打合せをさせて頂くわけにはいかないでしょうか」

 「篠田先生へ 山田側も私も腹を括って、この仮差押えに臨んでいます」倉橋は篠原弁護士の弱気な態度に速度が遅れることを恐れ、作戦に出た。「あとは篠原先生がどれだけ、弁護士のプライドをかけて戦えるか、だけだと思います」

「倉橋先生へ 転売される可能性は当方も十分承知しています。本件は、利害関係人が多数存在し、法律関係が複雑です」篠原弁護士は倉橋の電子メールに明らかに不快感を持って回答した。「中岡不動産は、権藤の会社からの直接の転得者ですが、現時点では信託受益権の登記が行われています。つまり、相手方は信託を受けた者であり、さらに山田様からは、かなり離れた地位にあります。権藤の会社の財産に対して仮差押をかけるような単純な事例ではありません。さらに多岐に渡り、根抵当権、信託登記もたくさんついて、分析するのも、資料のコピーをとるのも時間がかかることをご理解下さい。私は全ての私生活を捨て、土日も事務所にでて資料を分析し、何度も法律構成を考え、何度も仮差押申立書、仮処分申立書を書き直しました。私なりにプライドをかけて全力しているつもりです」

 「篠田先生の努力も分かっています。しかし我々の仕事は、結果が全てだということです」倉橋は、彼の将来性に賭けて、突き放すように返事を書いた。「我々は、今更、法律を学ぼうと思っていません。先生には、法的手続きをお願いしているのです」

 これには、更に篠原弁護士は強い不快感を持ったようだが、これ以上、進行を遅らせるわけには行かないし、倉橋と山田の中では、方針が決まっていた。何より今更、篠原弁護士が山田の家族に詳細を説明することにより、家族の誰かが不安感を持って、この差押え手続きを取り下げるなどとなっては、さらに進行度合いが遅延する。

 その日から篠原弁護士は、更に睡眠時間をも削って、この事件に没頭してくれた。

 差押える土地は12筆に分かれており、山田側の相続人は4人である。この12筆の土地をそれぞれ区分して仮差押えを行うわけだが、この作業だけでもかなりの時間が掛かる。その上、裁判所の見解がぶれる為、いちいち裁判所に篠田弁護士は足を運んだ。

「倉橋先生、一定の条件付ですが、裁判所で、仮処分と仮差押えの申立ての受理ができることになりました」篠田弁護士から、倉橋の事務所に電話が入った。その声は年齢に相応しい明るい声だった。

 

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2009年11月02日

資産家のあなたは、狙われている(18)

不動産投資 成功の方程式 表紙本日、みなとみらいオフィスで会議。

 

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いやぁ、激務である。

昨日、大阪支社で個別相談5名。

せっかくだからと、結果を出す為に、一人ひとりの時間が、結構、長引いてしまい、またもや終電。

関西近辺の人たちに首都圏の不動産投資を説明するのに、エリアや相場などを説明するという行為に時間が掛かってしまうので、通常、1時間半の予定が2時間以上、どうしても掛かってしまうのである。

結局、最終の方は、わざわざ京都からきて頂いたので、時間は押してしまったが、方針が決まったので、結果的に良かったのだが、ほっとするのも束の間。

終電ぎりぎり。

大阪支社の吉住さんに新大阪まで特急でおくってもらい、ぎりぎりセーフ。

やばい!

明日は、名古屋で出版記念講演。

今日も、最終の打合せが午後10時頃に終わる予定だから、帰宅は深夜。

明日は早出で移動である。

 

全国縦断出版記念講演はこちら

 

しばらく掲載していなかった分のレポートをば。

では、行って来ます!

 

相続に付け込む、取り込み詐欺!(18)

「篠原先生、とにかく急がないと、保全手続き自体ができなくなっちゃうんじゃない」倉橋は早速、篠原弁護士に状況を説明して、事務手続きの速度を速めるように促した。「信託物件といえども、仮差押手続きとかなら、保全と同時に進行できるんじゃない」

 「ええ、それは多分、それは先生の言うとおりですが、そもそも保全手続きでも損害賠償請求を受ける恐れがあるのに、それはあまりにも危険な賭けになりませんでしょうか」篠原弁護士は、困惑した表情で倉橋に言った。「山田さんが抱えるリスクを考えると、弁護士としてそこまでは提案できません」

 「でもね、先生、現時点で裁判所が保全手続きに応じない状況なんだから、ポーズでも仮差押手続きをしてみれば、こちらの真意が伝わるかもしれないんじゃない」倉橋は裁判所が、本件の申し立ての内容について、あまりにも現実味のない事実であるため、担当者が責任回避の為に裁判のテーブルにのせないのではないかと踏んでいた。「多分、すでに抵当権がつけられているから、仮差押手続きを行っても受理される保証はないけど、こちらは、それくらいリスクを背負っても、事実関係を明らかにしようとしているという印象は裁判所に与えられると思うよ」

 「そこまでおっしゃるなら、先生のほうで、山田さんの相続人全部の承諾を得られるようにしてもらえませんか」篠原弁護士は自らの説得では難しいと判断したのか、倉橋に山田側の説得を依頼した。

 

 「それって、どのくらいのリスクがあるんですか」山田は、電話の向こうで倉橋に、率直に意見を求めた。

 「正直、見当がつかない」倉橋も、忌憚ない意見を山田に伝えた。「どうも、5億円近い価格で売り抜こうという意図があるようだから、相手方は、仮差押が成立した時点で売買ができなくなり、2割程度の損害金、つまり1億円くらいのことは言うかもしれません」

 「え、でも、先生、そんなお金、うちにはありません」山田は、気弱に言った。

 「仮に、相手方が損害賠償請求の事件を起こしたところで、こちらは、今度、受けて立つ側だから、今回の事実関係をちゃんと説明できれば、裁判では相手方の過失なども考慮される可能性はあると思うけどね」

 「では、逆に、この手続きを行わないことによって、想定されるリスクってどのようなことですか」山田は、心配そうな、か細い声で言った。

 「裁判所が本件を裁判のテーブルに乗せないまま、土地は転売されてしまう可能性があります」倉橋は、既存の裁判制度の問題を歯がゆい思いで事実を伝えた。

 法律は、無知を救わない。知らないことがリスクであり、今回のような詐欺事件は、世論も手を差し延べてはくれない。

 「このまま泣き寝入りでは、父も浮かばれません」山田は、肩を落としながら倉橋に言った。「もう、財産らしい財産もないに等しいわけですから、最後は破産覚悟です。先生、できる努力をしてください」

 「そうですよね」思ったとおりの山田の反応に、ちょっと安心しながら倉橋は答えた。「司法だって、事実がわかれば理解してくれると思いますよ。とにかく、いまは、保全手続きに専念しましょう」

 正直、倉橋も不安であった。権藤の会社や中岡不動産なら直接の相手方だが、彼らから先となれば第三者であり、仮差押手続きなどを行って、その第三者が被害を蒙れば、山田までとばっちりを受ける可能性が高い。この場合、今回の事件は不動産取引の額が大きい分、損害賠償も多額になってしまう。

 このような詐欺事件の場合、騙されるのは瞬間であるが、取り返すには、たいへんな労力とリスクを伴うものである。

 

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2009年09月04日

資産家のあなたは、狙われている(17)

本日は、遺言手続きの為、朝一で埼玉へ

 

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この「相続につけ込む、取り込み詐欺」は、他の事件なども含めて小冊子として編集した!

実は、先日、賃貸住宅フェアというイベント向けに2000冊印刷したのだが、全部、捌けてしまい、やっと増刷ができた。

今回、これを記念し、6冊セットにして4800円の所、2000円(送料込み)でお送りする。

ご希望の方は、0120−177−213 セミナー事業部まで

 

さて、本当に最近は、相続対策の仕事が増えてきた。ありがたいことである。

実際、いろいろと相談に行った所で、では、具体的に何をすればよいか、ということになれば、やはり不動産を動かすしかないし、今回のように遺言の手続きなど、実務面で具体的な判断を要することになれば、結局、当社の出番となってしまう。

相続関係でお悩みの方は、ぜひ、一度、個別相談にいらしてください。

全部、解決できると思います!

相続対策の個別相談のお申込みも 0120−177−213 まで

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また、9月6日には、久しぶりの東京物件購入会を行う。

都心部で、ワンルームマンション投資などにご興味のある方は、ぜひ、この機会にご参加ください!

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相続に付け込む、取り込み詐欺!(17)

「先生、権藤の会社、破産の申し立てをしました」数日たって、篠原弁護士から倉橋に、思わぬ電話が入った。「破産管財人からの通知では、とてつもない数の債権者です。これ、先生が言うとおり、計画的な事件だったんですね」

 当初考えていたとおりのシナリオであったから、倉橋も小林も動揺はしなかったが、あまりにも早すぎた時期に、頭の中でスケジュールの時間的余裕を探った。

 「ただ、1つだけ、読めないことが起こりそうです」電話の向こうの篠原弁護士は、少し慌てた口調で言った。「実は、権藤も、末期癌だそうです。余命、幾許もないようです」

 

 先が読みきれない紛争の行方に、暫く、沈黙が続いた。

 

 「篠原先生、ちょっとスピードを上げないと、全部売られてしまって、1円も返ってこない事態もありえるよね」倉橋は、篠原弁護士と電話で話した。「権藤の会社が破産してしまった訳だから、後は、中岡不動産からの転売を阻止しないと、まずいでしょ」

 「ええ、それは分かっているんですが、山田さんのお父さんが亡くなったことで新たな書類が必要になりますし、第一、裁判所は、リスクを考慮しているのか、相変わらず対応が消極的なんです」ちょっと気弱そうな声で、篠原弁護士は言った。「権藤の破産管財人とも、いろいろ事情を話させてもらい、協力も取り付けたりして、調査は進めています。その中で驚いたことは、やはり同様な手口で騙された人も数人いるようです」

 「やっぱりな。この事件、裏で糸を引いてる奴がいるだろうな」倉橋は、権藤の会社のように資本力があるわけでもない会社で、かつ権藤自身が末期癌。もちろんこの事件や、他の事件を引き起こした後に癌に蝕まれたのかもしれないが、かような環境で複数の人を騙すだけの情報を入手することはできないだろうし、騙し取った金は少なくとも数10億円になる。この金を使い切るような事業などしていないし、破産したときの財産は、ほとんどないに等しいことを考えれば、誰かが裏で糸を引き、権藤自身は、単なる雇われ詐欺師だったに違いないと考えるのが普通である。「どこかに騙し取ったお金を隠しているんだろうけど、見つけるのは難しいだろうな」

 「私も同感です」篠原弁護士は言った。「日本の司法制度と法律の限界です」

 先にも書いたが、今回のような事件は刑事事件で立件しても、あまり取り上げられることがない。本来であれば、警察と連携して民事裁判が同時並行して行えれば、かような詐欺集団の検挙は可能となり、併せて隠匿された資金を差押さえて回収し、被害額を縮小することができる。ところが、警察は「民事不介入」を理由に、被害者や裁判所と協力して事件解決を図ってくれることは、まず、ない。従って、詐欺師たちは捕まったところで量刑が軽く、検挙されるリスクも低いから商売として成り立ってしまうのだ。そんな背景から、不動産や利権に絡む大型詐欺事件は、増加する傾向にあるのである。

 「いずれにしても、手続きを急ぎましょう」倉橋は大局的なことより、目先の手続きが遅れることのリスクを感じた。

 その後、篠原弁護士は、度重なる裁判所との打ち合わせを進めてはいたものの、この事件の特異性と被害額が甚大なこと、また、仮に保全手続きを行うことで、現在、山田の不動産を購入したことになっている中岡不動産が蒙る損害を考慮すると、その判断の責任の重さから、慎重な姿勢にならざるをえない。結局、裁判手続きは、遅々として進まなかった。

 「社長、ちょっとこれ、見てください」倉橋の秘書、小林が、血相をかえて登記事項証明書を持ってきた。「気になっていたので、インターネットで調べてみたんですが、中岡不動産、信託登記を行っていますよ」

 「ファンドに売るつもりなんだろうな」

当時、外資系のファンドが日本の不動産を買い漁っていた。欧米で低所得者向け住宅ローン、いわゆる「サブプライムローン」の証券化で稼ぎまくっていた外資系投資銀行は、その資金運用の仕組みを日本にも導入して、不動産の証券化を進めていた。

「いずれにしても、相手は動きを早めている。急がないとな」

 

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2009年09月03日

資産家のあなたは、狙われている(16)

本日も、歯科にて大工事!

 

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一昨日、昨日と、新書の原稿の追加分、倉橋レポートと書き上げ、本日は、またもや歯科に大工事に来ている。

これ、始めると延々とやり続けなければならないようで、しばらく続けなければならない。

かなり昔に治療した歯の根の治療が中心だが、もっと前から少しずつやっておけばよかったのかもしれないと後悔している。

あ、時間だ。では・・・・・・。

 

相続に付け込む、取り込み詐欺!(16)

相続税が課せられる国民の8%程度の資産家と呼ばれている、かような立場の人たちは、自らを救済してくれる機関などなく、今回のように騙されたら最後、結局、取り返しはつかないことを充分認識して、自己防衛策を見出しておかなければならない。

倉橋が経営する不動産コンサルタント会社「CFネッツ」では、かような現状から、資産家や、不動産投資などを始めたサラリーマンなども含めて会員組織として運営している。これは、倉橋の会社で管理運営している不動産のオーナーの会で、本人は勿論、親戚、知人に至るまで、無料の相談を受けることができる仕組みになっている。そんな関係で、日々、倉橋の会社には、多くの相談が持ち込まれることになる。

「昔買った遠方の土地を造成したら高く販売できるからやらないか」と業者から電話が掛かってきたがどうしたらよいかとか、なかには「お金に困っているので、15万円相当の植木を、3万円払えば後日に届ける」と造園屋さんみたいなひとが来ているがどうしたらよいかとか、普通の人には理解できかねる相談が持ち込まれる訳だが、これらの殆どが、少なからず詐欺的な話である。

今回の事件に近い話も、実は、以前に相談にのったこともあった。そのような場合、「うちには、顧問の不動産コンサルタントがついているので、そちらに電話してください」といって、倉橋の会社に電話を回してもらうようにしているのだが、ほとんど連絡などくることはない。また、「相続対策になるから、新築分譲のワンルームマンションを買わないか」とか、「アパートを建てないか」と言う話も多いが、呼んで話を聞いてみると、概ね収支計画が出鱈目であったり、根拠が見出せないものが多かったりする。中には「借金すれば相続税が下がるじゃないですか」などと、抱腹に値することを平気で言ったりするものまでいる。倉橋の会社の顧客は、果たして常日頃、このような対処で詐欺に遭遇する確立は低いから良いが、日常的に、確実に不動産に関するトラブルは増え続けており、山田の父のように詐欺に直面してしまう人々は後を絶つことがない。

 

「山田さん、かなり落ち込んでいるようでしたね」山田の父の葬儀の帰り道、倉橋をバックシートに乗せた乗用車を運転しながら、小林が言った。「僕も、山田さんの立場だったら落ち込むかもしれませんね。ま、財産がないから、狙われることはないかもしれませんけど」

「今回の件を決着つけて、詐欺られた土地の分、取り戻すしかないな」倉橋は、今回の件で山田の父が失った資産総額を取り戻すことを考えていた。

今回の件で山田は、ほとんど全ての土地に抵当権をつけられ、気がつかずに手続きを怠っていれば、さらに追加担保で土地を取られ、全財産を失うところだった。幸いなのは、銀行が担保として嫌う、古い貸家や権利関係が複雑な土地、そして都市計画道路で収用された土地の残地等が残っているから、これらを整備して価値を高め、不動産価格が低迷している時期に、首都圏の収益物件をレバレッジをかけて購入しておけば、ある程度の取り返しはつくものである。

「起きちゃったことは、取り返しはつかないけど、将来は変えられるからな」倉橋は、小林に言った。「突き詰めると、過去って本当は変えられるんだよ。だってな、いまを変えれば明日は確実に変わる。明日になれば、いまは過去。嫌なことは忘れて、いまを変える努力をすれば、嫌な過去など、なんてことはなくなるもんだ」

「社長、ラーメン食べません?」小林は唐突に言った。「そこに美味しいラーメン屋があるんですよ」

「お前って本当に幸せだよな」こういう奴のほうが精神的なダメージって受けないんだろうなと、妙な関心をしながら喪服のままラーメン屋に入り、豚骨ラーメンを食べた。

 

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【筆者のプロフィール】
Y.C.A.(ヨコハマ.コンピューター.アカデミー)在学中、輸出関連会社を起こすも、ココム規制(COCOM=対共産圏輸出規制)により廃業。 その後、25歳で某不動産仲介業者に就職。その会社で営業部門でトップの業績を果たし、新入社員の時から広告に携わり、副店長を経て企画課課長に就任。C.I.戦略(コーポレート.アイデンティティー)導入や、社内のロゴマークのデザイン、新規出店計画やリクルート活動をこなし、また地域戦略を実践し、地域文化活動なども主宰する。 その後、新規事業の賃貸管理業務とコンサルティングを併せた事業を開発し、企画課長と並行して同事業部の所長に就任、経常利益率35%超の日本一と言われた事業構築に成功する。 1993年(平成5年)「賃貸住宅仲介・管理の戦略・戦術と業務マニュアル」(環境企画)を執筆。当時は、まだ賃貸管理業務が体系化されていなかった時代に、契約書式や業務フローの効率化を発表。その後も3冊の業界向けマニュアル本を出版したことでプロパティマネジメントのエキスパートとして活躍し、日本全国で業界団体の講演などの活動が始まった。 1998年「賃貸トラブル110番」(にじゅういち出版)を出版。 北野たけし氏の番組「ここが変だよ日本人」に出演したことから、「ジェネレーションジャングル」「ワールドビジネスサテライト」など、テレビにも多数出演している。 2000年、CFネッツを軸としたグループ会社を立ち上げ「アッと驚く 不動産投資」(住宅新報社)を出版。あの「金持ち父さん貧乏父さん」(ロバートキヨサキ著 筑摩書房)の発売前に不動産投資の著書を日本で初めて出版したことから、全国的講演依頼が殺到し、その後、数々の不動産投資に関する著書を発表、現在では、不動産投資の世界でもカリスマ的な存在となっている。 また、自ら渡米して国際ライセンスのCPM(Certified Property Manager)を日本人で初めて受験して取得しており、現IREN−JAPANを創設し、日本国内のプロパティマネジメントの近代化に取り組んでいる第一人者でもある。

主な経歴
(株)CFネッツ 代表取締役

CFネッツ ホームページ

1993年、「賃貸住宅仲介・管理の戦略・戦術と業務マニュアル」(環境企画)出版 その後、3冊のマニュアルを発表
1996年、社団法人 全国賃貸住宅経営協会横浜南部支部支部長に就任し、翌年、同協会の神奈川連合会の創設に伴い副会長に就任。
1998年、不動産業界に関するシンクタンクである不動産綜建研究所創設に伴い、取締役所長に就任。
1999年、総合的な月貸し賃貸の運用会社である(株)月極倶楽部を創立、代表取締役に就任。同時に某不動産仲介業者を退職。
そして、ほぼ同時期に資産運用管理会社である株式会社CFネッツを創立し、代表取締役に就任する。
2001年、JREM国際CPM協会(現IREM−JAPAN) 副会長就任
2002年、JREM国際CPM協会(現IREM−JAPAN) 会長就任
2003年4月、IREM(全米不動産管理協会)より、CPM(公認不動産管理士 サーティファイド.プロパティマネージャー)の称号を取得。日本で初めての公式試験受験による取得者となる。
これまでに、株式会社南青山建築工房、株式会社日本テナントサービスなど、グループ会社16社、総社員数120名を超えるまでに成長させている。
また現在でも、不動産投資から不動産全般の法律問題、相続対策、建築コンサルティング等や、不動産業者向けの経営コンサルティングやシステム開発にも携わり、抜群の成果を誇る経営コンサルタントとしても活躍中。さらに執筆活動や日本全国で講演なども行っている。 実業家だけでなく不動産投資家としても著名であり、また澤田痴陶人の美術収集家でも知られ、「城ヶ島遊ヶ崎リゾート」「炭火焼蔵」「六本木 遊ヶ崎」「手打ちそば葉山商店」などの飲食店を経営する美食家としても知られている。
 著書に「不動産投資、成功の方程式」「お金に困らない人生設計」「損しない相続 遺言・相続税の正しい知識」「プロが教えるアッと驚く不動産投資」「馬鹿に効く薬」ほか多数。 現在、FMヨコハマとJ-COMテレビで「ここが知りたい不動産」、J-COMテレビ「大人の歩き方」にレギュラー出演し、その他、ニュース番組にも登場している。

成功への「こころ」の科学を
不定期につぶやきます。
遊ヶ崎グループ
城ヶ島遊ヶ崎リゾート
三浦市・三崎・城ヶ島観光WEB
炭火焼「蔵」:炭火焼き:串焼き:三崎:日本料理
六本木「遊ヶ崎」:日本料理:会席料理:懐石料理:個室
uno:三崎:美容室:宇野伸治
大英博物館で陶芸家として初の個展が開催された鬼才・澤田痴陶人美術館の公式ホームページ
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